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連載エッセイ『愛で、闘え!!』Mission.2(みはる)

「地域活動支援センターあすぴれんと」に通うメンバー(当事者)の中川 優子(ペンネーム:みはる)さん。心理的ケアや精神疾患についての知識を問う「あすぴれんと無差別級選手権」で二度王座を獲得しており、ピアサポート的視点から講演活動にも積極的に取り組んでいる

臨床心理福祉協会あすぴれんと(CPWAA)では、当事者の方の"大志"を具体的に応援しています。

今回はその一環として、エッセイストを志すペンネームみはるさんのエッセイを数回に分けて掲載させていただきます。

Mission.2「ポジティブってなんなのよ!!」

さぁ。ここで話は、いよいよ本題に入る。(え?前振り、長い?)

Missionをクリアするヒントは既に、PrologueとMission.1に散りばめられている。

“プログラムに関するエッセイ”・“四季時計”・“難攻不落”。

一体、無差別級ってなに??


ある日、理事長は言った。


 

「それでは、みはるくん。頑張って、missionをクリアしてくれたまえ。」

 

・・・そんな訳、ないか。


言われた台詞は、実際には次のようなものだった。


「無差別級について書いてみませんか?ポジティブに!!」

はぁ〜?!ポジティブだぁ〜〜??


一瞬、理事長の顔が鬼に見えた・・・じゃなかった。

一瞬、理事長の顔が、私の視界の中で歪んだ。

(あすぴれんと、叩き出されるのを覚悟で書いてます。)


時は、昨年の2月に遡る。

毎月配られる、翌月のプログラム表に見慣れない“名前”のプログラムを発見した。

まぁ、別に驚くことではない。

毎月・毎月、「よくもまぁ・・・。」という程に、あすぴれんとでは新しいプログラムが誕生する。(そして、消える・・・ものもある。笑)


(なんだか・・・、また、新しいモノが始まるねぇ〜〜。)


それでも妙に引っ掛かりを覚えた。“選手権”とは穏やかじゃない。


「無差別級選手権。なに、コレ?」

「テストです。」


えぇ〜〜?今、何て言いました?テストって言いましたか?

私の耳、どうにかなっちゃいましたかねぇ??


こういう例えが適切かどうかは分からないが、あ然とし過ぎて・不可解過ぎて、秘境の森へと迷い込んだ気分だった。

“スーパーひとしくんで、ふしぎはっけ〜〜ん!!”

ミステリー・ハンターも、びっくりだ。


兎にも角にも、“やる!”と決めたら迷わない。もちろん、決して振り返らない。

前だけを見て、ずんずん進む・・・のが、理事長流だ。(多分。)


慌てふためいたのは、私達。

或るメンバーは、「臨床心理学入門でしょ?」と言い、それならやりましょ!!と話をまとめ、過去のレジュメを共に見つめて、ああでもない・こうでもない。

(でも、待てよ。嫌な予感がする・・・。)

数日の後、理事長が、更に私達を秘境の森のそのまた向こうの湖へと、ご丁寧にも案内をしてくれた。


「テスト範囲は全部です。」(ダメ押し。)


・・・終わった・・・


ぜんぶ。ゼンブ。全部。無理〜〜!!


あすぴれんとで“心理教育”が始まって、軽く2年は過ぎている。

レジュメの枚数も正確には測れない。

最早、どうすれば良いのか分からない。


「知らないことは怖いんです。正しく理解をすれば、怖くありません!!」


理事長・・・私達は、その偉大なる日頃の教えを今こそ実践してみせましょう。

無差別級を正しく知って、理解して。でも、その前に教えてください。


「赤点、追試は有りますか?」(ヤケっぱち。)